先日、60条証明書の取得をご依頼いただきました。
60条証明書・適合証明書は通称で、正式名称は「開発行為または建築等に関する証明書」です。また、60条証明書の「60条」とは、都市計画法施行規則の60条を指しています。
この証明書は基本的に、建物の建築確認申請の際に添付する書類なので、主に建築士さんが触れているはず。証明する項目はいくつかありますが、今回、一番(?)特殊な「既存物件の建替え」についての証明を行いました。
また、良く「市街化調整区域には家が建たない」と言われます。このブログを読めば理解いただけるのではないでしょうか。
今回、本当に細かいところは抜きにして、概要(ざっくり)の説明となりますが、今後の参考にしてください。
今後、(60条証明書において)行政の担当が何を言っているか分からないことがなくなり、自信をもって窓口で説明することができるようになるのではないかと思います。
ポイント1
「60条証明書」「適合証明書」とは住宅(家)を建築する際に必要となる場合があるものである!
よって、家を建てない場合は必要になることがありません。
都市計画法施行規則60条の主語は「建築基準法6条1項または6条の2, 1項の規定による確認済証の交付を受けようとする者は」となっており、建築基準法6条は建築確認のことだからです。
ポイント2
原則、建築物(住宅等)を建築する場合には許可を受けなければならない
①都市計画法29条1項で、都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、許可を受けなければならない。
②都市計画法29条2項で、都市計画区域及び準都市計画区域外の区域内において、それにより一定の市街地を形成すると見込まれる規模として政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、許可を受けなければならない。
※開発行為とは、都市計画法4条14号で定義されており、「主として建築物の建築の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう(略)」。とあり、建築物の建築を目的として土地に何かすることです。
①と②より、都市計画が定められている土地では必ず許可を受けなければ建築物の建築はできない状況です。
また、よく聞く、似たような条文で都市計画法43条の「建築許可」があります。
土地の開発許可が不要であっても、「建築許可」を受けなければ住宅を建てられないという2段構えになっている仕組みです。
少し分かりにくいですね。
ズバリ、ざっくり言ってしまえば、
建築物を建築する際、土地に何かする(造成:区画形質の変更)場合は、開発許可。
土地に何もする必要がない(既に開発許可を受けているなど)場合は、建築許可。
となります。
③何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、建築物を新築し、建築物を改築し、その用途を変更して規定する建築物以外の建築物としてはならない(略)。
これが、市街化調整区域で家が建たないと言われる由縁です。しかし、市街化調整区域に限定されています。
◆60条証明書の正体
・都市計画法29条の開発許可
・都市計画法43条の建築許可
それぞれの条文に、許可を受けなくても建築してもよい建築物等が定まっています。
原則、許可を受けなければいけないので、60条証明で29条や43条に「適合している」ことを証明することで建築物を建築できるようにすることです。
60条証明書の正式名称、覚えていますか?
「開発行為または建築等に関する証明書」開発行為は29条、建築等に関するは43条を表しています。
都市計画法施行規則60条では、~建築確認の確認済証の交付を受けようとするとき、その計画が開発許可等に「適合していることを証する書面の交付を都道府県知事に求めることができる。」とあります。
ポイント3
何を証明するのかを明確に
・都市計画法29条1項及び2項各号に該当する場合
→ 農家住宅や公共施設を建築する場合は開発許可が不要であることを証明
・都市計画法43条1項各号に該当する場合
→ 農家住宅や公共施設を建築する場合は建築許可が不要であることを証明
・都市計画法29条本文非該当
→ 開発行為に該当しない場合であることを証明
これらを60条証明書で証明します。
最後に、私が担当した「既存物件の建替え」とは何か。
根拠条文は都市計画法34条14号、審議会を経由して決められた措置です。
市街化調整区域において、以前より建築物が存在した場合、同じ敷地の範囲内で・同一の用途で・同様の規模,構造の建築物を建築できることになっています。市街化調整区域で新しい住宅は、既存物件の建替えで再建築なされたものかもしれません。
また、都市計画法が定められる前から既存建築物があった場合、それを証明することで再建築が可能になります。しかし、それを証明するのは相当の時間と手間が必要になります。
(さらに、各市町村には「条例」があり、全国統一の見解でないと思われます。)
そのような時間と手間をかけずに、ぜひ行政書士にお任せください!
迅速に最短納期で証明書の取得を行います。
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